第66回One Dayセミナー
筋内コンディショニングと動作
〜理論から実践へ〜
〈講師メッセージ〉
肩をマッサージした後、「あ~。軽くなった。」と言われることはないでしょうか。
日常ありきたりのことかもしれませんが、考えてみれば不思議なものです。
マッサージをして「軽くなった」ということは、どういうことなのでしょうか。
「軽くなった」ということは「動かしやすくなった」と言えるのではないでしょうか。
また「動かしやすくなった」ということは「筋肉がちゃんと働くようになった」、言い換えると「力がでるようになった」、「筋力が上がった」ともいえるのではないでしょうか。
ということは、筋をマッサージすることで、筋力が向上し、重力に抗する力である抗重力活動が向上したともいえるのではないでしょうか。
「軽くなった」ということが、もし筋力の向上、さらには抗重力活動の向上と捉えられるのであれば、マッサージをすることによって、筋収縮が促され、動作が変化する可能性があるということになるのではないでしょうか。
マッサージをしたことによって、筋力が上がったということを、学校で習った生理学から眺めてみると、マッサージをしたことによって、アクチンとミオシンのスライディング(滑走)が起こったということになるのではないでしょうか。
では、どうしてマッサージをしたことによって、アクチンとミオシンのスライディング(滑走)が起こるのでしょうか。
アクチンとミオシンがスライディング(滑走)するということは、そもそもニューロンである細胞の活動が必要となります。
筋でいうニューロン(細胞)は、筋細胞です。
筋細胞は、筋線維です。
ということは、マッサージで筋線維が働きやすくなったと言えます。
筋細胞が働くには、神経の活動が必要です。
神経の活動が起きるには、ニューロンの中で、電気的変化が起きないといけません。
さらには、ニューロンの電気的変化は、細胞内外のイオンの変化によって起きるものなので、マッサージをすることによって、細胞内外のイオンの変化が起き、ニューロンの電気的変化が起きていると考えることもできるのではないでしょうか。
そうでないと「軽くなった」という現象を説明することはできません。
また、筋細胞が活動するということは、筋細胞へ指令をだしている神経の働きも必要となります。
そうなると、マッサージをして筋の働き方が変わるということは、脳の活動も変わらないといけないということになるのです。
日常の何気ないことですが、マッサージをして「軽くなった」という現象は、神経、循環、呼吸、泌尿器、消化器という人体の内部環境を一定に保つ全ての働きよって起きている現象ということが考えられるのです。
しかし、実は、これは、今の科学ではわかっていないことなのです。
マッサージをすることで、筋力が変化するのであれば、意図的に筋の中の状態、筋内コンディショニングを変えることで、筋力を操作することができるのではないでしょうか。
さらには、筋内コンディショニングを変えることで、動作を変化させることができるようになるのではないでしょうか。
ということは、筋力を向上させるには、筋力トレーニングをしないといけないというのは固定観念かもしれません。
筋力は、神経の働きである「運動単位の動員数」と筋の太さである「筋の横断面積」に比例すると言われています。
マッサージをすることで、「筋力が上がる」ということが起きるのであれば、神経の働きである「運動単位」か、筋の太さである「筋の横断面積」のどちらかが変わる必要があります。
筋の太さはすぐに変わることは考えにくいので、変わっているとすれば、神経の働きである「運動単位」の変化によって、マッサージ後の筋力の変化が起きているかもしれません。
筋に対してアプローチすることで、その場で筋力を操作し、動作を変えることができるということになるのです。
今回のセミナーでは、筋内のコンディショニング(状態)と筋力から生み出される動作との関係性を、基本的な生理学的な知識を用いて、解釈する力をつけ、実践力を高めることを目的としています。
今までなんとなくやっていたことに確信を持って行うことで、今まで以上に治療の効果を高めていくことができるかもしれません。
治療効果をさらに高めたい先生方は是非ともご参加いただければと思います。
本セミナーはDVD撮影が入ります。申し込みフォームでのチェックが必要となります。
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〈セミナーに関するお問い合わせ〉
CRSセミナー事務局
大阪市住吉区苅田7-12-28 常盤ビル505
Email:info@croom-s.jp
セミナーに関するお問い合わせ
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